古き良きいい映画を見たいと思たら迷わず『ペーパームーン』

古い昔の映画がみたいけど、どの作品を手に取ってよいのか分からない。

そんなときは是非『ペーパームーン』をお勧めします。

物語は、 母親を失った女の子『アディ』と、彼女を親戚の家に送り届けることになった詐欺師『モーゼ』の二人旅。

モーゼは訪問販売で人を騙しながら旅歩いているどうしようもない男。
そんなモーゼにとってアディは厄介な旅の道連れでしかありません。
でも旅を続けるうちに、お互いの絆が徐々に深まってゆきます。

見どころは何と言ってもこの二人の絶妙な距離感。

アディはモーゼのことを『本当の父親』だと信じて慕いますが、面倒なことが大嫌いなモーゼは徹底的に否定。

この関係は最後まで変わらず、台詞に現れるモーゼの言動には、少しもアディに愛情をほのめかすものがありません。

でも言外にあふれる出る何とも言えないウェットな感情が、二人の間に見えないゴムひものように伸縮するので、ついつい見入ってしまいます。

とくに子役のアディ(テイタム・オニール)の存在感が圧倒的。

時にかわいく時に小憎たらしく、絶妙にモーゼの心を掴みまくる。
このアディの一挙手一投足を見ているだけでも見ごたえ十分。

アディを演じたテイタム・オニールはこの作品でアカデミー賞助演女優賞を受賞。
わずか10歳での獲得は2019年現在もいまだに破られていない最年少記録とのこと。

物語の舞台が1920年代、大恐慌時代のアメリカと言うところも大きなポイント。

皆貧しく、心と心の結びつきが今以上に必要とされていた時代。

脚本も映像も、どこか懐かしさを覚えずにはいられないような雰囲気に、心が潤いに満たされることは間違い無し!

是非、人生で一度は見ていただきたい名作です。

ちなみに作中のふたりの関係性は最後まで明らかにされませんが、演じている本人達にギミックが隠されており、なんともウィットの効いた演出となっています。


【情報】
◇作品名:ペーパームーン
◇制作:1973年(米)103min
◇監督:ピーター・ボグダノッヴィッチ
◇出演:ライアン・オニール、テイタム・オニール
◇受賞:米アカデミー賞助演女優賞(テイタム・オニール)
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【おまけ】詐欺師モーゼの手口。何が起こったのが、見ている方も騙される見事な手腕。

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