鎌倉・小町通りで“天然のたい焼き”『鎌倉浪花家』
たい焼きに“養殖もの”と“天然もの”があることをご存じでしょうか。
え?たい焼きって、そもそも魚じゃないよね、“養殖”とか“天然”って、おかしくない?
いえいえ、ツウの間では明確にたい焼きを “養殖もの”と“天然もの” と区分けしているそうです。
その違いは『製造法』。
通常、屋台やスーパーのたい焼き売り場で作られる場合、鯛の鋳型のついた鉄板に材料をいれ、サンドイッチするようにして一気に何匹も焼き上げます。
これがいわゆる“養殖もの” 。
それでは天然の鯛焼きとはどのようなものかと言うと、鉄板ではなく、鯛の形をした焼きごてのような道具を用いて、一匹ずつ、直火で焼き上げてゆく昔ながらの製造法。
その分時間もかかりますし、焼き上がりも職人の技量が大きく関わってくることになりますが、一匹、一匹、丹精込めて焼き上げた分、仕上がりは格別だといわれております。
そんな“天然のたい焼き”に出会える名店が、鎌倉小町通りにあります。
お店の名前は『鎌倉浪花家』
たい焼き発祥のお店として知られている麻布十番の『浪花家総本店』から暖簾分けをし、2015年12月より鎌倉、小町通りに開店している人気店です。
早速購入、そして実食。
かじった瞬間、香ばしく焼き上げた薄皮がパリッと割れて、熱々のあんこがはみだします。
あんは粒あんでたっぷりしていますが、全然しつこくなく、上品な味わい。
何か、たい焼きという食べ物の「真の姿」を食しているかのような満足感を楽しめます。 これは病みつき。
自分の中のたい焼きについての基準が変わってしまいそう。
そして、「いちど天然ものを食べてしまうと、なかなか養殖ものねぇ…」とかなんとか、知ったようなことをつい口走ってみたくなる…。
鎌倉小町通りは食べ歩きができるお店がたくさんありますが、是非お勧めの逸品です。
きっと、今までの“たい焼き感”が大きく変わる新しい体験ができるのではないでしょうか。
一匹食べればたい焼き通。食後には「やっぱりたい焼きは天然物にかぎるねぇ」などと知ったようなことをつぶやいていることでしょう。
【DATA】
◇店名:鎌倉浪花家
◇住所:神奈川県鎌倉市小町1-7-8TAK鎌倉ビル1A
◇電話番号: 0467-23-8810
ところでこのお店の暖簾元である浪花家総本店は、あの昭和の名曲「およげ!たいやきくん」のモデルとなったお店だそうです。
「およげ!たいやきくん」は、焼かれるのが嫌で海に逃げ出し、大海原を自由に泳ぎ回る一匹のたい焼きの物語。
“天然のたい焼き”という言葉に、なんらかの由縁を感じてしまうのは私だけでしょうか。
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