抜群の安定感!思わず人に勧めたくなる逸品アニメ『ヒナまつり』

面白い漫画や映画、小説に出会ったとき、つい誰かに勧めたくなりますよね。

でも、自分が面白いと思ったものが、必ずしも相手に喜んでもらえるかというと、そうとばかりは限りません。

特にそれがアニメーション作品だった場合、相手によってはあらぬ不信感を抱かれてしまうのではと、ついつい尻込みし、伝えたい思いをぐっとこらえることも。

そんな中、相手が老・若・男・女、誰であろうと安心してお勧めすることができ、しかも見た人みながみな、高確率で面白いと言ってもらえるような安定感抜群のアニメがあります。

それがこの『ヒナまつり』です。

物語は突如、やくざの家に出現した超能力少女“ひな”をめぐるコメディドラマ。

「超能力少女」ときくと奇想天外なSF(サイエンス・フィクション)を想像しがちですが、内容はいたって平穏な日常風景。

どちらかというと、かの藤子・F・不二雄先生が往年語っておられたような、「ありふれた日常に混在した些細な非日常」を描く、S(すこし)F(ふしぎな)エンターテイメント。

壮大なスケールも冒険もアクシデントも迫りくる危機も強大な敵もなく、物語は主人公たちの生活の域を逸脱することは決してありません。

がしかし、テンポの良い日常活劇は決して飽きることがなく、ついつい面白おかしく見続けてしまいます。

なにより、作品中に登場するキャラクター達が皆、まるでモニタの中に魂をやどしているかのような生き生きとした存在感を放っているのです。

“ひな”
突如、新田の家に出現した超能力少女。ガサツな性格の為、よく新田に怒られる。
“新田 義史”
自宅に突然出現したひなを養うことになったやくざ。貴重面な性格の為、ひなに振り回されることが多い。
“三嶋 瞳”
ひなが通う中学校のクラスメイト。真面目で面倒見がよく、嫌と言えない性格ゆえか、なにかと巻き込まれてばかり。
“アンズ”
未来からひなを抹殺しに来た超能力少女、のはずが現代社会の生活苦の中で人の優しさに触れるうちに、性格が変貌してゆく。
“詩子”
新田が通うバーのママ。初めこそ新田の意中のひとだったが、回を追うごとに破綻。

さらにこの作品の素晴らしいところは、人々の日常生活がきちんと描かれていること。

どんなに超自然的な力を持っていても、働いて食べていかなければ現代社会を生きぬくことはできません。

こういう当たり前の、でも漫画やアニメではつい見過ごされそうな現実が、この作品では常に根底に横たわっているので、見ていて共感する部分がとても多いのです。

日常をしっかりと描いた作品は、サザエさんしかり、ちびまる子ちゃんしかり、見ていてとても親しみやすく安定感があるもの。

ありふれた日常生活に混在する、少し不思議な少女“ひな”と、彼女を取り巻く仲間たちによる、面白おかしく愉快で、時に泣かせる現代の人情劇。

『ヒナまつり』全12話。
一生に一度は見ておきたい!

必見の良作アニメーション作品です。

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